アイスティーの魅力は何でしょうか?
風味が基本ですが、グラスに注がれたアイスティーが持つ透明な外観も非常に大切です。
クリスタルのように澄み切ったアイスティーは、暑い夏日だけでなく一年を通して楽しむことができます。また、食事を楽しむように、アイスティーは肉や魚料理とも完璧に調和します。
今回は、オンザロックススタイルでアイスティーを作る方法をご紹介します。
氷に直接濃い紅茶を注ぎ、すばやく冷やします。
この方法では、通常の2倍の濃度で紅茶を淹れる必要がありますが、茶葉の量を増やすのではなく、氷が溶けるのを考慮して水(お湯)の量を半分にします。
この淹れ方を覚えて、日常の中でアイスティーを楽しんでみませんか?
用意するアイテム
沸騰したお湯(ポットの事前加熱も含む)
ティーリーフ
氷
ケトルまたは電気ポット
計量用スプーン
はかり(事前にお茶の葉の量を測るため)
タイマー(砂時計やキッチンタイマー等)
茶漉し
抽出用のティーポット
耐熱性の容器やティーポット
飲み物用のグラス
マドラー
必要な量
お湯:1杯分、70~80cc
茶葉:1杯分。
大きめの茶葉であればティースプーン1杯、約3g。
細かい茶葉ではティースプーンでやや少なめに1杯、約2.5g~3g
氷:グラスが満たされるまで
ニルギリ、ディンブラ、キャンディ、アールグレイ
アイスティーの作り方
アイスティーの作り方を以下の手順に沿って説明します。
1.沸騰したお湯を用意します。
2.ティーポットに茶葉を入れます。
3.お湯をティーポットに注ぎます。
4.数分間、茶葉を浸します。
5.別の容器に茶こしを使って紅茶を濾します。
6.氷を入れたグラスに紅茶を注ぎます。
7.マドラーでよくかき混ぜます。
以下で各ステップについて詳しく説明していきます。
お湯を沸かす
やかんに水を勢い良く入れることで、空気を多く含んだ新鮮な水が得られます。
紅茶は高温で淹れることが理想的で、この高温が茶葉のエキスを効果的に抽出し、味わいを最大限に引き立てます。
水道水を使用することをお勧めします。紅茶は軟水で淹れるのが一般的で、日本の水道水は紅茶の味や香り、色をより引き立てると言われています。
ミネラルウォーターを使用すると、茶の色や香りが変わる可能性があるため、慣れるまでは水道水で試してみてください。
また、長く沸騰させ続けたお湯は茶葉の成分を十分に抽出できなくなるので注意が必要です。
茶葉をポットに入れる
ポットを事前に温めてから茶葉を入れます。
冷たいポットに熱湯を注ぐと、温度が急激に下がり、茶葉の成分が十分に抽出されず、風味が損なわれるためです。
熱湯を注ぐ
通常のストレートティーよりも濃い紅茶を作るため、使用するお湯の量は半分にします。
茶葉が十分に開くように、20~30cmの高さから勢い良く注ぎます。
この手法をジャンピングと呼び、紅茶の成分をしっかりと抽出する重要な工程です。
茶葉を蒸らす
ストレートティーよりも短時間で蒸らすのがコツです。
茶こしを使用して別の容器に移す
耐熱性の容器に移し替えます。ホットストレートティーを作る場合と同様に、茶葉から最後の一滴を抽出する必要はありません。
甘味が欲しい場合は、この時に砂糖を加えます。
ストレートティーでは最後の一滴を「ゴールデンドロップ」とも呼びますが、アイスティーを作る場合は、クリームダウンを避けるために軽めに抽出するのがベストです。
グラスに氷を入れて紅茶を注ぐ
たっぷりの氷を入れたグラスに紅茶を迅速に注ぎます。
紅茶の高温と氷の低温の差でグラスが割れないように注意しながら注ぎましょう。
マドラーでかき混ぜる
氷が溶け始めたら、さらに追加で氷を入れると良いでしょう。
氷を直接入れたグラスで飲むと風味が豊かに
冷蔵庫でアイスティーをまとめて冷やす方法は手軽ですが、時間が経つにつれて風味が低下することや、クリームダウン現象が発生することがあります。
そのため、作ったばかりのアイスティーをその場で飲むことをおすすめします。
また、アイスティーを冷蔵せずに常温で保管し、早めに飲むのも一つの良い方法です。
美味しいアイスティーの作り方のポイントを以下にご紹介します。
アイスティーの淹れ方のコツ
使用するお湯の量は、ホットティーの場合の半分に調整します。
浸出時間を通常より短くします。
多めの氷を入れたグラスに急速に注ぎ、すぐに冷やします。
アイスティーの透明感を保つ方法
透明で鮮やかなアイスティーを作る際、白く濁る「クリームダウン」現象を避けることが大切です。
これは、紅茶が冷えると起こるもので、味が若干落ちます。
クリームダウンを防ぐ方法には、細かい砂糖を加える、渋み低い茶葉を選ぶ、抽出時間を短くする、抽出を完全には行わないなどがあります。
クリアなアイスティーに最適な茶葉の選び方
透明感を持つ美しいアイスティーを作るためには、渋みが少ない茶葉を選ぶことがポイントです。
クリアなアイスティーに向いているとされる茶葉を以下にご紹介します。
ニルギリ
ディンブラ
キャンディ
アールグレイ
これらの茶葉は、アイスティーに適した特性を持っています。
クリアなアイスティーに向かない茶葉
次に紹介する茶葉は、アイスティーを作る際にクリームダウン(濁り)が発生しやすいとされています。
ダージリン
アッサム
ウバ
ヌワラエリヤしかし、もしクリームダウンが起きても、牛乳を加えることでその影響を軽減し、アイスミルクティーとして美味しく楽しむことができます。
アイスティーの誕生
ちょっと豆知識をご紹介します。
約100年前の1904年、アメリカのセントルイスで開かれた国際博覧会での出来事です。
イギリス出身のリチャード・ブレチンデンはプロモーションの一環として紅茶を提供していましたが、7月の猛暑の中、熱い紅茶に手を伸ばす人はほとんどいませんでした。
そこで彼は思いつきで紅茶に氷を加え、冷たくしてみることに。
この冷たい紅茶は来場者に大好評で、たちまち注目の的になりました。これがアイスティーが広まるきっかけとなり、今では多くの人に親しまれています。
日本でアイスティーが楽しまれる理由
日本ではアイスティーが広く普及しています。
これは、他の国々とは異なる特徴があるからです。例えば、文化的に紅茶が重視されるイギリスでは、伝統的に温かい紅茶が好まれるため、アイスティーはそれほど一般的ではありません。
また、紅茶の主要生産国であるインドやスリランカでは、直接水を飲むことが少なく、高価なミネラルウォーターを使用した氷を日常的に使うことは珍しいです。
そのため、これらの地域ではアイスティーの消費が少ないのです。
一方で、日本では高い水質のためにそのまま飲水として利用でき、安価で手軽に氷を作ることができます。
このような理由でアイスティーを気軽に楽しむ事が出来てています。
その結果、アイスティーは日本で気軽に楽しむことができる飲み物として定着しています。
アイスティーを楽しむあなたへ
楽しんでいただけましたか?
この急速冷却法を用いることで、熱い紅茶を素早く冷やし、その芳醇な味わいを保つことができます。
透明感のあるアイスティーをグラスに注ぐと、見た目も美しく、心が躍りますね。
一年中、この爽快でフレッシュなアイスティーをお楽しみいただき、素敵なティータイムをお過ごしいただければ幸いです。